2015/11/21
■横目の象牙ってなに?
横目の象牙といいますのは、象牙の印材のとり方の違いになります。
普通、象の牙から印材をとる場合は、効率よく象牙の牙を適度な厚さに輪切りにし、縦に取る方法がとられます。
その場合は、中心に近づけば近づくほどにキメが細かく、美しい印材ということになります。
また、中心部は芯持ちということになります。
横目の場合は、象牙の牙を最も贅沢に使用する取り方になります。
象牙の牙を厚めに輪切りし、輪切りを中心として横向きに取ります。
ですので、とれる印材は数本ということになり、大変貴重です。
また、見た目にも横目の象牙は持ち手に渦をまいたような象牙の年輪がでます。
同じ象牙であっても、
持ち手部分の象牙に渦のような模様が入っているのが横目象牙の一番の特徴です。
横目の象牙は珍しく高価なものであり、人と少し違ったものをご希望のお客様に大変人気があります。
ただ、横目の象牙は横に激しく目があるため、美しく手彫りで彫刻するには大変技術が必要となります。
なぜなら、硬い象牙の印材&横に目があるので、大変彫刻しにくく、欠けやすいという難点があります。
ただ、大変珍しく思わず、見とれてしまうような模様の特徴が人気あります。
当店では、現在レギュラー商品として扱っておりませんが、お客様がご希望でしたら上質の横目の印材を取り寄せ、彫刻することは可能です。
(その際お支払い方法は、代金引換時にカード決済をお選び頂くことができません。
カード決済をご希望の場合は、支払い方法選択の時にクレジット決済をお選び下さいませ)
*オーダーメイド商品はカード決済不可となります。
ご希望のお客様は、ぜひお問合せくださいませ。
■インド象とアフリカ象など象牙のランク・値段
インド象の印材は、現在大変高価な印材であり、希少な印材です。
当店でも現在の在庫数は数本しかありません。
現在一般的なお店で扱われてる象牙は、ほぼアフリカ象の象牙です。
インド象の象牙は、アフリカ象の象牙に比べ色合いも、クリームがかかっておりなんともいえない、高貴な美しさと上品さがあります。
希少なインド象のキメの細かい極上ランクの象牙は、どの象牙よりも大変高価で貴重です。
アフリカ象の印材には、様々なランクがあります。
牙の中心から外れた、キメの粗い象牙は割安になりますがもちろんランク的にも下になります。
牙の中心に近づけば近づくほど、キメが細かく美しいく純白で美しいのが分かります。
芯に近づくほどきめ細かく密度があり美しいのです
もちろんランク的にも上になりますので価格もそれに見合うだけの金額になります。
ただ、それだけの価値のある素材であるということには間違いありません。
■疑問!
展覧会や大会等受賞経験があるとどうなの!?
印章の展覧会・大会等の審査基準は、
芸術性(各職人それぞれの文字に対する)・バランス・刀の切れ味・文字の美しさ・正確さ等を ベテランの複数の審査員が評価します。
評価方法は大会や展覧会によって、 人数も合計得点もかわり、各審査員が投票し総合点数の多い職人が受賞になります。
審査員様はその時によって異なり、
審査員様も好みや経験に基づき点数がつけられます。
(*わかりやすい例としましては、オリンピックのフィギュアスケートのように独自の個性や美しさ・バランス・正確さ等を各審査員が得点し、総合的に判断されるような感じです)
なぜ大会や展覧会での受賞作品が多いことが印鑑制作に重要なのかと申しますと、
基本である実用性のある文字を書くことができ、
正確に美しく彫刻できる技術がないと、
評価される芸術性のある印鑑制作をすることはできないからです。
一般的にお店で販売しています実印・銀行印・認印などの印鑑は、
実用性を重視する雰囲気で文字を書き、彫刻します。
展覧会や大会で制作します印鑑は、
芸術性や美しさを重視したバランスで制作いたします。
例えば、一般の印鑑は表札などに使用されるような実用性のある雰囲気を重視し、
展覧会や大会の印鑑は、書家が描く書道のような芸術性を重視した雰囲気が必要になります。
よって、展覧会や大会で数々の受賞経験があるということは、
基本となる文字がしっかり美しく手書きできる技術があり・美しく彫刻する技術がなくてはなりません。
当店の印鑑は全て数々の受賞経験をもち、
全て文字を書き・彫刻する完全手彫り印鑑を制作販売しています。
大槻先生が制作されました印鑑は、
文字1つ、彫り方1つをとっても大変美しく、
手彫りのよさを存分に発揮された商品となっております。
また、当店ではそんな大槻先生独自の雰囲気・書体を守る為に、印影確認サービスをしておりません。
■疑問!
展覧会や大会の印影ってどうなの?
実用印は、印篆(いんてん)で彫るのが一般化されています。
*実用印とは、実印、銀行印、認印など普段一般的に使用される印鑑をいいます。
展覧会では、小篆(印篆のもととなる字)で作品を彫刻し技を競いあいます。
小篆は、筆意があり書道の要素があるのが特徴です。
現在では、実用印には印篆を用いることが多いです。
印篆の基本が小篆の為、
小篆を彫刻する技術と技と知識があれば、
おのずと印篆の技術も同等のレベルがあるとされ、 美しく彫刻することができます。
その為、展覧会など技術や技を競い合う時は、 小篆を用いる場合が多いのです。
また、「はんこおもしろい話」にも記載していますが、 千円札の表は、印篆(京印章)、後ろは小篆です。
印影の線が細い為あまり一般受けしないのかもしれません。
また、あまり見慣れないというのも理由の1つかもしれません。
大槻先生は小篆、印篆どちらについても熟練の技と知識と技術を持っておりますので美しく彫ることができるのです。